分子生物学研究室では、マウス多能性幹細胞や各種細胞株を用いて分化に関する各種遺伝子の発現制御や細胞内の情報伝達機構を調べています。
また、自然クローン繁殖するフナを研究材料として動物の生殖の仕組みを遺伝子レベルで解明しようとしています。
さらに、魚類からほ乳類までの種々の脊椎動物を対象に、DNAを利用した個体識別や性別鑑定、系統分類、起源や進化の解明に取り組んでいます。このように動物の多様性や普遍性、さらには生命の仕組みを分子レベルで解明しようとしています。細菌のゲノム解析にも取り組んでいます。
現在次のような研究テーマに主に取り組んでいます。
- 動物細胞の発生、分化の過程において細胞内では何が起こっているのか?
(遺伝子発現制御機構や細胞内情報伝達因子の相互作用の解明)
動物におけるDNA鑑定技術の開発とRNA発現解析 - 獣毛などの微量組織から個体識別はできるか?
(イヌ、ネコ、野生動物のDNA型による種の特定と個体識別法の確立) - 感染症や動物の遺伝性疾患をDNAから判断できるか?
イヌの先天性脱毛症の原因遺伝子は?
(遺伝子診断法の開発)
アロペシアX(犬の先天性脱毛症)から得られた発毛・育毛関連遺伝子群の解析 - ギンブナは自然界でどうしてクローン繁殖できるのか、どこからきたのか?
(雌性生殖の分子機序と遺伝的起源の解明)
雌性発生する3倍体ギンブナから探る新たな生殖技術